スラムダンクの潔い終わり方に感服
普通の漫画ならば、終わり方はハッピーエンドとは呼べぬとも、何らかの終着点にたどり着くというものです。しかし、スラムダンクの終わり方は、全国大会(インターハイ)の二回戦までが描かれ、その後の三回戦はほんの、数行の文章のみで終わるというもの。バスケットを初心者からはじめて、一年も立たない間にぐんぐんと成長していく主人公。
ライバルとの駆け引き、叶わぬ恋の行方、愛読者としては、怪我をしつつも、主人公がどんな成長を遂げていくのか、次の三回戦もしっかりと描いてほしかったのだが、そこをあえてさらっと終わらせた理由は、ただ主人公がケガをして出場できなかったという落ちではなく、読みたい読者を手のひらで転がすという、作者のうまさと呼べるのではないだろうか。そして、今日に至るまで、ずっとスラムダンクが愛され続けている理由なのではないだろうか。今も、愛読者の中では、登場人物の三回戦での戦いの様子が夢の中で繰り返されているに違いない。