ジャンプ部屋ブログ

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雨柳堂夢咄・全14巻(波津彬子)感想&あらすじ・大きな柳の木がある骨董屋で、そこに集まる不思議な品々の物語…ネタバレ注意。 #マンガ


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感想

舞台となる「雨柳堂」は入口に大きな柳の木がある骨董屋で、そこに集まる不思議な品々の物語です。その雨柳堂の主人の孫である蓮はものに秘められた思念を見たり聞いたりすることができる力をもっており、さらに目利きの才があるのです。最初にこの本を手にとって読んだ時になんだか古めかしい感じのタッチのイラストだし、それにあんまり骨董品は好きじゃないしなと思っていました。

でも第一話で花椿の恋という話を読んでうっとりするような切ない恋の話に読み惚れてしまいました。そのエピソードでは、掛け軸に描かれた白い椿の花精の絵が、売り主のもとへもどしてくれと蓮に懇願するところから始まります。その願いを聞き入れた蓮は持ち主である主人のもとに返してあげます。すると持ち主は殺されてしまい、その花の精の女性も同じくして銃殺されてしまいます。

しかしその一瞬、花の精は主人と一緒になることができて、願いも果たされ、彼女がいなくなった掛け軸には、花弁だけが残されていたのです。なんとも美しいエピソードだなと思いました。椿の花は私も大好きなので、こういう繊細な感情をもった花の精が白い椿の花というのはとても素敵だと思いました。こういった思念をもつ骨董品が自分のプライベートなスペースにあるのはだいぶストレスですが物語として読むだけならいいなと思います。