ジャンプ部屋ブログ

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ゼーガペイン/ネタバレ注意!アニメ最終回感想&あらすじ・サーバーの中で生きている森羅万象のために…。 #ANIME


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ゼーガペイン最終回 森羅万象(ありとあらゆるもの)を忘れない

「消されるな、この想い 忘れるな、我が痛み」私にはじめて切ないという感情を植え付け忘れることのできない作品がこのゼーガペインです。
主人公のソゴル・キョウは舞浜に住む高校生であった。
自身が起こしたトラブルにより、キョウの望む水泳部を復活させることはできそうになかった。
幼なじみで、キョウに好意を持つカミナギ・リョーコも自分のやりたい道を行き、水泳部に入りそうになかった。

そんな最中に出会った黒髪の乙女、シズノ先輩に誘われるようにキョウはアルティールというロボットに乗る。
これは夢か幻か、幻ならばそれは消えてしまう、胡蝶の夢をキョウは悩む。
キョウが今まで当たり前に生きてきた世界は量子サーバーの中のデータにすぎず、キョウやカミナギもデータであったのだ。
この作品に出会った当初、あまりの苦しさに胸をおおわれた。
キョウは一度精神的ダメージを限界に抱え込み、いなくなった。
その時、彼はシズノ先輩と恋仲にあった。
データが復元した時、キョウが選んだのはカミナギであった。
私はカミナギもキョウもシズノ先輩も好きであったために、キョウが正式にどちらかと恋人になってしまうことが嫌だった。
キョウは一見して馬鹿なイメージだ。
世界を駆ける宿敵の深刻な質問も一蹴してしまう。
しかし、最終回でキョウは自分の気持ちを呟く。
自分ひとりがデータの外に出た理由を飾ることなくもらす。
「実を言うとサーバーの中で永遠に生き続けるのもありだったと思う。でも俺には本物がやけに眩しかった。(中略)俺は世界のありとあらゆるものとガチンコでぶつかりたかった」と高校生にしては観念的でもあり、高校生らしくもある言葉。
最終回はシズノ先輩との別れの話である。
データですらない、実験台である彼女は今のキョウに、かつて自分にシズノと名付けてくれた彼を見いだす。
キョウもその記憶を思い出す。
コックピットでの二人の会話はBGMも効果して、切なさで満たされている。
実体としてひとり世界に残るキョウと、サーバー内で時を繰り返すシズノ。
シズノは今のキョウを認め、好きだったわと言葉を残す。
思春期真っ只中の私はSFの知識をまるで持たずとも、この作品の中に生きていく辛さ、傷、そして光をを見つけた。
OPテーマの歌詞はシズノからキョウへの、EDテーマの歌詞はカミナギからキョウへの気持ちを綴ったように思える。
何度も何度も繰り返す世界で、何度も水泳部の皆と仲直りするキョウが好きだ。
シズノへの想いも過去として忘れず、彼女を認めるキョウは格好いいと思う。
カミナギにだけ見せる弱った顔も、それを笑い飛ばせるカミナギも好きだ。
最終回、ループする世界でたくさんの人が一歩進む。
喪ったものを忘れることなく、痛みを想い出にかえて、生きていく。
それぞれのキャラクターの成長がたった2クールで奥深い。
キョウはひとり本物の世界でひとり歳をとる。
サーバーの中で生きている森羅万象のために。
カミナギらしき妊婦が腹に話しかける作中最後の台詞「はやく産まれておいで世界は光でいっぱいだよ」この一言にすべてが尽きるのだ。
カミナギ役の花澤香菜さんの初々しさが、生きていく感触を掴むようだった。