ジャンプ部屋ブログ

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カフーを待ちわびて(原田マハ)感想&書評!映画では主人公の明青は玉山鉄二さん、ヒロインの幸はマイコさんが演じていた(ネタバレ注意) #小説


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「カフーを待ちわびて」原田マハ

映画のDVDを観て素敵なお話だなと思ったので、小説の方も読んでみました。映画では主人公の明青は玉山鉄二さん、ヒロインの幸はマイコさんが演じていたのですが、小説版ではあまり人物のイメージが合わなくて、別物として読んでいました。
私は主人公の明青に共感できて、好きだなーと思いました。口コミでは「自分から動かない情けない男」みたいな意見が多いみたいなんですが、明青がこれまでにしてきた辛い経験や抑えてきた気持ちを考えると、急に訪れた幸せに戸惑うのも無理はないし、すぐに飛び付くことはできないと思います。それでも彼なりに幸を想い、少しずつ歩み寄って大切にしようとする優しさと不器用さが、とても良いなと思いました。
明青と幸の関係と同時に再開発の問題が進むのですが、全体的にファンタジーみたいな雰囲気のする中で、この問題は現実感があって良いアクセントになっていたと思います。二人がすれ違うきっかけにもなってしまうのですが。明青が幸を誤解して追い出してしまう原因を作った俊一には本当に腹が立ちました!
結末はハッピーエンドではなかったけれど、あの終わり方がベストだろうなと思いました。それまで自分の気持ちを抑えて我慢したり諦めてばかりだった明青が、必ず幸を探しだすと決意する。二人が再会できて今度こそ幸せになれるようにと願わずにはいられない、余韻のある最後でした。