ジャンプ部屋ブログ

1994年頃から捨ててないジャンプで何かをしたいです。

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地球出身の元コンサルタントの立身出世物語です「異世界コンサル株式会社」【感想ネタバレ注意!あらすじ】。


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異世界コンサル株式会社 作者:ダイスケ   一風変わった異世界立身出世物語

Webサイト「小説家になろう」に連載されている作品の書籍化になります。怪我から冒険者を引退した地球出身の元コンサルタントの立身出世物語です。同サイトで連載されている多くの作品と同じようにある日突然異世界にやってきてしまった主人公のお話ですが、読んでいてまず気が付くのが舞台となる世界の過酷さです。

フィクションの要素として魔法というものがこの世界にもありますが、それが発揮されるのは冒険者の使う攻撃や補助の魔法や教会の司祭の使う治癒魔法といったごく限られた場所で、町で暮らす普通の人々にはかかわってきません。ゲーム的なファンタジー世界というよりも、15~16世紀の中世ヨーロッパにモンスターが発生するようになったような世界です。100年戦争や薔薇戦争がない代わりにモンスターと人間の生存闘争があるようなイメージです。そんな世界なので冒険者になるのは農民の次男、三男坊といった人間で新人の死亡率も大変高いです。そんな職業を5年間行い、膝を悪くしたものの生きているケンジはかなり幸運な部類の人間と言えます。そんな世界で冒険者を辞めたケンジは、駆け出し冒険者の買い物に付き合って値引き交渉したり経費の精算を行ったり、パーティーを円満に解散する手伝いをしたりすることで、冒険者時代以上の暮らしていくには十分な収入を得ることができるようになります。そうして生活に余裕ができたころからケンジの目的が『生活費を稼ぐ』ことから『冒険者の暮らしを少しでも良いものにする』に変わりました。冒険者のためにできることとしてケンジが始めたのは靴の製造販売です。この世界の住人の履物は冒険中の履物はサンダルや木靴が主で、駆け出しの実に4割が依頼途中の移動で足を滑らせて負傷しているというのです。冒険者時代のケンジは日本製の靴を参考に1月暮らしていけるだけのお金をかけて専用靴を作り愛用していました。ケンジはこれを何とか駆け出し冒険者全員が履けるようにしたいと考えるのです。このあたり普通のファンタジー作品というよりもビジネス系の立身出世ものに近いノリを感じます。作者曰く、将来ビジネス書を出すときの練習として本作品を書いたとのことで、異世界を舞台としながら企業の立ち上げから業界への新規参入、製品の量産化、会社の設立、現場作業者との話し合いや公営組織との折衝などビジネス書として必要な内容が分かりやすく書かれているだけでなく内容も面白いものとなっています。