寄稿をいただきました。
ぴゅーと吹くジャガー
作者の独特な世界観が何と言っても最大の特徴。
面白いことは世の中にあふれにあふれているけれど、常に同じことで笑いが持続するということはない。音楽や映画なども、さまざまなジャンルや曲調で切り口を変えてその良さを生み出している。
この作品は面白いと思うことのジャンルを多く確立したものであると思う。日常ある微妙な間合いや独特のいやらしさなどを作者の観点から面白く描写して、それを読者に面白いものだと提示している。
普通はいらいらしたり何とも思わなかったことがこの作で描かれることによって、面白いもののジャンルとして確立するのである。細かい微妙なシーンを集めてつづったのがこの本である。
ギャグ漫画は長編が難しいらしく、連載スピードが遅くコミックスの巻数も少ないのが残念であるが、そのシュールさゆえに何度も読み返しても新鮮なほどに新しい漫画である。