WILD HALF 情が生んだ犬と飼い主の物語
「人の言葉が話せる」
「人型に変身できる」
そんな変わった力を持つ犬サルサ、その飼い主の岩瀬健人の物語です。
男子高校生のわりにはありえない程事件に巻き込まれたり、ピンチに遭遇する健人ですがその度にサルサが助け、時に助けられ情を深めていきます。しかし最終回ではサルサと健人とその兄が乗る車にトラックが正面から衝突するという最大のピンチを迎えます。
サルサは2人を助けるために自分が持っているすべての力を使い果たし、言葉を話さない、変身もしないただの犬へとなってしまいます。(おそらく記憶も無くなっているのかと)
当時、サルサが普通の犬になってしまった時は子どもながらにショックだったのを覚えています。
周りの仲間たちがショックを受ける中、健人はショックを受けることもなく「変身できなくても、言葉が話せなくてもサルサはサルサ」とこれまで通りサルサと接します。
この漫画は「情」がテーマでした。変わった力を持つ事で迫害され続けたサルサ、ひょんな事からサルサと出会いその力を怖がる事もせず接し家で飼うことを決めた健人。
これまで築き上げてきた「情」の前ではそんな喋れない、変身できない事は些細なことだったのでしょう。
2人でピンチを乗り越え時には「骨付き肉の味付けが濃い」などと健人にワガママを言いケンカをすると言った日常を過ごしていく2人に生まれる「情」とは愛情とも友情とも違う何か不思議な物を感じさせてくれます。
(多分今の時代だと男二人の「情」などと言ったら変な風に捉えかねられませんけどね・・・)
ジャンプ本誌ではここで終わってますが単行本では続きが載っています。
興味がある人は文庫版もあるので読んでみたらいかがでしょうか。