一言感想
ついにナルの正体が明かされます。
面白いところ。
ついに、謎多きナルの真実が明かされるこの巻、心霊事件がなくとも非常に読みごたえがあって面白かったです。
前巻からコソコソ話が多かった坊さん・ジョン・安原さん男性陣は、どうやらなんとなくナルってこれなんじゃないの?とわかっていたようで、坊さん中心にお話が展開されます。
その謎解きが、自分が考えてもないことだったり、そう言われれば変だよなと思うことだったりで、動揺したり困惑したり、それでも今までのお話の辻褄がピッタリあわさっていきました。
麻衣のつけたナルシストの「ナル」というニックネームが、実は本名からのニックネームであることが最大のキーだったのですが、このナルの本名が解明されすべてがわかったので、たくさんの意味で感慨深い思いでした。
過去の事件での2回の入院、麻衣の業務内容、リンの「ナル」という呼び方や過去のやりとり、坊さんはずっと疑問に感じてたんだなあと思いました。
ずっと不思議な人だなと思っていたナルのことが解明してとてもすっきりしました。
今回のお話で一番心に残ったのは、麻衣の色々な表情でした。
元々感情豊かな素直な子でしたが、麻衣の夢の中に出てきていたナルだと思っていた人の正体、ずっと恋をしていたのはナルの双子の兄だったとわかった時。
現実に近くにいたナルではなく、夢の中でいつも微笑んで助けてくれた、もうこの世にはいないユージンを好きで、もう二度と会えないとわかった時の麻衣にとても切なくなりました。
それでも、ナルからユージンの写真をもらって、一人でも恋はできると笑った顔もとても素敵でした。
心霊現象がリアルで怖い、幽霊が怖い、それだけじゃなく、人と人との繋がりを大切にしたお話でした。