「被弾のアリア 24 狂逸の同窓会」赤松中学著、イタリアでの日常編といった感じ
「被弾のアリア」シリーズも24巻となり、もうほとんど「被弾のアリア」ではなくなってきました。つまり、シリーズ当初は主役であったアリアが、このあたりの巻では、もうほとんど登場しなくなっているのです。この24巻での登場シーンは、ページ数でいえば、たぶん1割もないんじゃないでしょうか。
しかしアリアが登場しないからつまらないか、というと、そんなことはないのです。今はもうキンジが主役といっていいでしょう。このキンジがさまざまな事件に巻きこまれ、そのなかで、美少女に囲まれ、からまれ、絶体絶命の危機を脱出していくという展開が多くなっています。つまりは、007的な世界ですね。
ただ、24巻は少しおとなしいお話です。
イタリアの武偵校に入学するためにかの国にやってきたキンジが、またまた美少女と縁を持ち、好かれる、という、いつものうらやましい展開です。特に大きな事件は起きず、イタリアでの日常生活がたんねんに描かれています。イタリアの観光案内の書にもなっています。
このシリーズを読んだことのない人が、この巻だけを読むというのには賛成しかねます。
シリーズを読んできた人なら、興味があれば読んで損はしないでしょう。