うせもの宿3巻 穂積:ついに女将さんの過去が明らかに
まず、表紙を見るとマツウラらしき人物が女将さんらしき女性を抱きしめています。しかし1巻と2巻に描かれている女将さん・マツウラらと違い、女将さんは大人っぽくマツウラは若く見えます。この謎は読めば全て解けます。
そして、「訪れた人の探し物が必ず見つかる宿」と言われるうせもの宿の女将さんがなぜ女将さんとして働くようになったのか、その理由は今回描かれる悲しい過去にありました。女将さんが昔の記憶を取り戻すシーンは何度読んでも目頭が熱くなります。単純に悲しいということではなく、安堵に似た感情も湧き上がるような何とも言えない気持ちになりました。
ラストは穂積さんらしい、切なくて心にじんわりと刺さるものになっていました。すぐに1巻から読み返しても飽きずに余韻に浸ってしまいました。私のように王道少女漫画があまり好きではない人にこそ、この漫画を読んで欲しいと思います。いつかどこかで二人に幸せが訪れるように願っています。