ジャンプ部屋ブログ

1994年頃から捨ててないジャンプで何かをしたいです。

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感想・書評『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年、村上春樹』ネタバレ注意「登場人物の職業が比較的分かりやすいので、入りやすかった」(レビュー)。 #読書


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村上春樹の13作目の作品。例のごとく発売当初、ニュースになるほどの人気だったけれど、まだ読んでいなかったのを思い出し、書店で買って来ました。
登場人物の職業が比較的分かりやすいので、入りやすかったです。高校時代の仲良しグループ5人の内、主人公だけが、鉄道の駅を作る仕事に携わる夢を追いかけて、上京。他のメンバーは全員地元に残った。離れても5人の関係は維持されていたのにある時、突然、メンバー全員から拒否されてしまう主人公。理由も教えてもらえず暗い闇に落ちていく。
主人公がどれほど傷ついて、内向的感情になっているのかの表現は村上春樹ならではで、リアル感がありました。
物語は傷が癒えた後に出会った青年との出会いと別れへ進むのだが、この青年に物語内における位置付けや意味づけを私は最後まで理解できなかった。
38歳になった主人公は女性と出会い彼女の導きで、自分の中にあるトラウマの原因を解き明かすために当時のメンバーに会いに行く。
ここでなぜある日突然、主人公が完全拒否されたのかの謎が明らかになっていく。
謎は明らかにになるのだけれど、ひとつひとつ、もう少し書くキャラクターの心情に踏み込んだ描写が欲しいと感じました。
全体的に他の村上春樹作品よりも、余韻を感じませんでした。物語は時代の流れに沿っているし、もしかしたら誰もが経験するかもしれないエピソードだから、引き込まれ一気に読み上げました。ただ村上春樹の独特の世界観という面では、少々期待はずれでした。