お笑いにはあまり興味がないしテレビもそんなに見る方ではないので、若林さんのことは顔がなんとなくわかる程度にしか知りませんでした。しかし作家さんをゲストに迎えるような番組の司会をしていたり、読書家の一面があると知り、興味を持って手に取ってみた一冊です。
易しい言葉で書かれており、とても読みやすいです。中学受験をして、満員電車に揺られながら東京の中高一貫校に通学していたとのこと。当時は将来に希望が持てなかったが、ものを考える基本的な力を勉強することで養っておけば将来に役立つと気づいたというエピソードには、とても共感しました。大人になってからわかることってたくさんありますよね。社会の荒波にもまれて、色々な経験をする中で一喜一憂するうちに、自分なりの上手な距離の取り方を学んでいけばよいのではないでしょうか。
出不精だったり自意識過剰な思考回路から今一歩抜け出せずにいるところなど、自分と同じだと思える部分がたくさんあって共感できました。爽やかな読後感がまたとてもよいです。自分もまた自分の人生を頑張って進んでいこうと思える、素敵なエッセイでした。