幕の内の取組の解説はおなじみの北の富士勝昭さん、実況はNHKの大坂アナウンサー、そしてゲストは先場所引退したばかりの元・嘉風の中村親方でした。嘉風の引退は土俵外での事故によるものであまりにも突然の出来事でした。
その際の記者会見でも「悔いしかない。土俵で散りたかった。」とはっきりと仰っていたので、現在どのような状況でどのような心模様であるのか、とても気になっていたのでこのような形でご本人の口から言葉を聞くことが出来るのは大変嬉しかったです。まだ足の具合がよろしくないとのことで本来座るべき向正面ではなく正面席だったのですが、そのおかげで素敵なスリーショットをみることができましたし、北の富士さんが中村親方を見るときの表情や語りかけるときの優しい目が良かったです。中村親方は少し小さな声で訥々と語っておられました。真面目な性格と研究熱心さが良くわかる解説でした。にっこりと笑顔を作りながらも「まだまだ相撲をとっていたかった。残念ですね、悔しいですね。」という言葉は、嘘がつけない性格が良く現れていたように思います。気っ風の良い嘉風の相撲をもうみることが出来ないのは本当に残念ですが、これからは解説席で存分に活躍して欲しいと切に願いました。