感想
町はずれに2人だけで住む姉弟の切ないダークファンタジーです。最愛の姉を生かすために、屍人というゾンビのように夜な夜な死体を食べる化け物変えてしまった主人公ゲオルグ・ファウストス。この彼の名字にちょっと気持ち悪さを感じます。昔みた「ファウスト」という気味の悪い映画と似たシーンがあり、もちろん一切関係はないと思いますが脳裏の端でブワット嫌悪感が湧いてきます。
姉の事が異常に好きなのか、それとも執着で生かしているのか、いずれにしても姉自身は死体を喰っている事を知らないし、太陽の下に出ると皮膚が燃えてしまう・定期的に死体を摂取しないと体が壊死し、メフィストという悪魔に体を乗っ取られてしまう、というもはやその状態で生きているというのが可哀想過ぎて読んでいて辛いです。絵柄がものすごくカワイイし、いつもゴスロリを着ているのでちゃんとお嬢さんという感じなのになんでそんな事するんだろうと思ってしまいます。その苦しみから解放し、本当の意味でちゃんとした人間として蘇らせるために「ネクロノミコン」という禁忌の本を探しているそうです。誰かが死んでしまって会いたいと思うのはみんな一緒ですよね。一度死んでしまったらやはり周囲も受け入れなければと思います。まだ物ごころついてから家族がいなくなったことがないので私に失う悲しみはわからないのですが。