ダンジョン飯 4巻 久井諒子 妹・ファリンを救い、竜の肉を食べるための、負けられない戦いが始まる!
深層でレッドドラゴン相手にパーティが壊滅し、命からがら地上に逃れた物の妹ファリンが食べられ無一文で放り出されたライオス一行。
そのままではとても救出覚束ないライオスのパーティが取った手段は、倒したモンスターを食べながら進むという物だった。
そして念願のレッドドラゴンの住処まで辿り着いたライオス一行は、飲み込まれたファリンを救出する為にレッドドラゴンと対峙します。
これまでの巻ならコミカルな話と共にモンスターを倒し、美味しく調理するところですが相手が強敵レッドドラゴンだけにギャグ要素を入れている暇が無くシリアスな展開が続きます。
手持ちの武器は壊れ、ペットとして持っていた剣に土壇場でまさかの裏切りをかまされた挙句仲間にも露見する等、踏んだり蹴ったりでギリギリかつハードな展開が続き見ている方もハラハラさせられます。
ここで料理漫画らしく仲間の持っていた包丁がミスリル製で超強力な事が発覚し、攻撃が通る事を認識し希望を見せ始めます。
包丁を目に投げ視界を奪ったものの、致命傷を与えるには顎の下の逆鱗を狙わなくてはならない。
その為に裏切ったペットの剣を拾うべく捨て身の行動に移り、なんとか取得するものの次々と仲間が倒れていきます。
最後はドラゴンの頭に飛び移り、足を食われながら顎の下の逆鱗を貫き辛くも辛勝します。
こんな感じで進む為、今巻は意外とグロ要素が多い展開となっており少々息苦しい感じはぬぐえません。
妹ファリンをドラゴンの体内から探す一行ですが、食われた筈の胃の中におらず絶望が過ります。
細切れからなら前例があるといったものの流石に消化されてしまっては無理という事なのでしょう、RPGゲーム・ウィザードリィのロストってこんな感じなのでしょうか。
ライオスの機転で丸呑みされた塊から遺品や髪の毛が見つかり、一向に希望が見え始めた時に出てきたのが頭蓋骨と大量の骨の山。
ファリン、飲み込まれた魔獣共々骨になってました。
連れ帰っての蘇生は危険との判断により現場蘇生の方針が固まり、ここでまさかの遺骨組み立てパズルが始まるコミカル路線となります。
ハード展開のドラゴン戦が終わった反動でしょうか。
無事ファリンが蘇ったところでこの漫画のお待ちかね、モンスター料理のお時間となり美味しく頂き休憩をとる一行。
目標を達成した彼らを尻目に屋敷内の幽霊らしき女の子や、蘇生に使った魔方陣を見つめるエルフ等今後の伏線が張られている点も見逃せませんね。
冒頭で別パーティ視点からのこのダンジョンの成り立ちが説明される等、この世界の今後の展開について深く掘り下げていく描写がなされ、ライオス一行の旅はまだ終わらず続巻を楽しみにさせてくれる構成となっています。