「君に届け」28巻 椎名軽穂・著
高校生活最後の冬休みを迎えました。爽子と二人きりでクリスマスを過ごす夢が二年越しにやっと叶って、興奮気味の風早くんがとても微笑ましかったです。はたから見ると、爽やかイケメンの風早くんとさえない地味な爽子という印象ですが、風早くんは本当に爽子に惚れ込んでいるんですね。
また、ピン先生に片思いしているあやねの恋模様はすごく切なかったです。
派手で軽そうに見えるあやねですが、実は誰よりも奥手で純情なんじゃないかなと感じます。あやねの恋心を知った爽子と千鶴が、ピン先生をこれでもかとガン見していたのが笑えました。
そして、大晦日に待ち合わせしたものの、吹雪のために爽子が風早くんの家で一泊することになるエピソードは素敵でした。指輪を贈って将来を誓った二人の固い絆に胸打たれつつも、これから始まる遠距離での生活を思うと寂しい気持ちになります。風早くんと爽子の父親同士が対面したのがおかしくて笑いました。相手が誰でも自分のペースに巻き込んでしまう風早くんのお父さんは、やっぱり無敵です。