「七つ屋志のぶの宝石匣」5巻 二ノ宮知子・著
預けている品物を定期的に取りに来ていたお客さんが来ないからといって、心配して家にまで訪ねていく志のぶの人情味あふれる性格が素敵でした。クールな顕定もだんだんとそんな志のぶに影響を受けているようなのが、なんだか微笑ましかったです。
さて、今回の断捨離に関するエピソードは、自分も身に覚えのあることで少々耳が痛い内容でした。ミニマリストに憧れる気持ちはとってもよく分かります。でもかすみさんのように思い切った捨て方はできないし、洗濯機や炊飯器、掃除機はやっぱり無いと困りますね。一方でファッションに関してはまるで無頓着なので、売れるようなブランド品はそもそも持っていないというのが悲しくもあります。「美しいものを愛でるのが人間の文化」という志のぶのお母さんの言葉が、胸に突き刺さりました。
そして、モデルの乃和と顕定の関係は、いまいち真意がつかめなくてヤキモキしました。志のぶは何度も涙ぐんでいて、感情を振り回されていましたね。この乃和の登場が探していた宝石の行方につながっていくのか、続きが気になります。