著者、尾田栄一郎。集英社ジャンプコミックス。
現在、日本で最も売れていると言っても過言ではないかもしれません。大人気シリーズですが、この中でも私がおススメするのは、コミックス第44巻(帰ろう)です。
CP9から大切な仲間、ニコ・ロビンを取り戻すための戦いに勝利したものの、エニエスロビーからの脱出に使う予定だった護送船を破壊され、窮地に陥った麦わらの一味を救うため、一味の船、ゴーイングメリー号が嵐の海を越えて迎えに来る場面です。メリー号は度重なる激しい冒険のせいで次の島まで辿り着くことができない、いつ沈んでもおかしくない状態だったのです。
一味を救い出し、窮地を脱したメリー号でしたが、ガレーラカンパニーの職人たちの乗った船が迎えに来たところで、力尽き、船体は大きく二つに割れてしまいます。大切な仲間の最後の時を悟った麦わらの一味によって、メリー号は燃やされ、一味に最後の別れを告げて海の底に沈んでいきます。
44巻の一番最後、第430話のタイトルは「降りそそぐ追想の淡雪」。このタイトルには作者である尾田栄一郎氏の想いが込められていると思います。