ジャンプ部屋ブログ

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打ち切り!?とびっきり!(樹崎聖)漫画感想・主人公のライバル役であった不良少年が、敵役であるにも関わらず…ネタバレ注意。


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寄稿頂きました。

「とびっきり!」作者 樹崎 聖

「とびっきり!」というボクシングマンガを読んだ、子供時代の記憶が深く深く私の脳裏に根付いています。
特に、主人公のライバル役であった不良少年が、敵役であるにも関わらず私にじつに強い共感の念を感じさせてくれる人物でした。最初はただの悪役かな、と思い読み進めていたのですが、実際は決してただの不良ではなく、彼なりの信義を持ち、努力することの大切さ、美しさをよく承知している名悪役なのです。そのことがストーリーの随所にさりげなく、そして時には衝撃的に描写されています。

そして物語後半、その悪役たる彼自身もじつに強靭な努力する心を見せつけ、主人公と相対するのですが、その勝敗が決することなく雑誌では打ち切られてしまいました。とても大好きなマンガでしたので、子供心にショックでした。主人公と、あの敵役が互いに切磋琢磨する様を今後読めなくなると思うと悲しかったのです。
ところがこれには後日談があり、単行本版にはその二人の最後の試合の、結末、そして主人公がそこから何を学びどういう道を選んだのか、が描かれてありました。連載が尻切れトンボであったため、単行本発刊時に追加されたのでしょう。大学生の頃それを知り、漫画喫茶で読むことができた偶然と奇跡を今でも感謝しています。
この「とびっきり!」は、本当に私の大好きな漫画です。何かに徹底的に打ち込むことの美学を如実に描いている傑作だと思います。