風の谷のナウシカ/漫画版最終回・結末感想ネタバレ注意！世界を浄化するために旧人類により作られた腐海…。 #COMIC

ナウシカは救世主なのか？それとも…

映画で描かれていたのは本の一部のストーリー。
ナウシカは罪を犯したのか、人類を救ったのか。
世界を浄化するために旧人類により作られた腐海。全て浄化された後の美しい世界では、毒された世界に順応するように作り変えられた人類は滅びの道を行くしかない。

それを知りながらも命を尊び、みんなに嘘を着きながら進むナウシカは悲しくも美しかった。
希望だけをみんなに与え、自分の中だけにその真実をしまいこむことは、とてつもなく苦しいことだろうに、冷ややかで綺麗な横顔が印象に残っている。
最初の巻で地下室で綺麗な水で育てた腐海の植物は毒を吐かないと知り、ユパ様に嬉しそうに伝えたナウシカの姿を思い出すと、胸が締め付けられる思いがする。
人が汚した世界に復讐されるでもなく、人類の利己的な行いによって滅びゆくであろう命。
弱く庇護される立場にも、それを虐げ滅ぼす立場にもなる愚かな人類をナウシカは愛していたのだろう。
たかが漫画と言われるかもしれないけれど、私の核となる部分をグラグラと揺さぶり、考え方を一変させた物語。沢山の人に読んで欲しいような、ひっそりと一人で読んでいたいような複雑な気持ちにさせてくれる物語。