「ちはやふる35巻」末次由紀 名人・クイーン予選開始
恐らくちはやふる最後・最大の大会になると思われる名人・クイーン戦の予選が開始された巻でした。個人的に面白いと思ったのが真島太一が悪役化していたこと。千早に振られてからというもの、悪役とされている名人の元で修行し、いつの間にかブラック太一となってしまったことが面白いです。
今まで太一といえば性格・ルックス・学力全て完璧のスーパー高校生だっただけれど、メインストリートから外れた太一により魅力を感じます。周りはカルタが大好きな人間だらけですが、太一はカルタを好きだったことはありません。ただ千早が好きだった事により続けられたカルタに対して初めて千早抜きで向き合う太一は応援したくなります。社会人は多くの人が好きでもない仕事をしています。それでも自分の中に理由を作って評価される仕事をしていかなければならないのです。そんな時に、仕事の業種そのものが好きでたまらない人は眩しくて羨ましくてしょうがないものです。読者は自分を太一に投影してる人も多いのではないかと思います。