超ヒットを記録し、日本にバスケ文化を根付かせたとも言える名作バスケ漫画「SLAMDUNK」は、弱小校に入った天才たちが、他校の強豪と渡り合うタイプのスポ根物語だったと思いますが、そんな仲にあって、元々素質がなく、身長も目立ったところがない木暮副キャプテンが私は好きでした。
元々ヤンキーだった桜木や、無口で無愛想な流川、バスケ部を潰そうという動きさえ見せた三井、そして、自分の思いが強すぎて多くのチームメイトたちと衝突してきた赤木といったアクが強い湘北の面々に対して、決してキレることはなく、初心者の桜木や一年の流川に出番を取られても決して腐らず、チームのシックスメンとしての役割に徹し続けてきた彼は、実は躍進の隠れた功労者であり、部を支える屋台骨でもありました。だからこそ、あの陵南戦でのシュートが、あれほど鮮烈なものとして記憶に残っているのだとも思います。
連載が終了した後、私も運動部に入って練習しましたが、実際になれるかどうかはともかく、木暮君のような先輩になりたいという思いは、常にどこかにあったように記憶しています。