今年の夏の甲子園は全国が公立かつ農業高校である金足農業高校の決勝進出で盛り上がった。特にエースである吉田輝星投手が一回戦から決勝までを投げきったことで、甲子園前は全くの無名だったとも言える一人の高校生は勝ち進むにつれて過熱していくマスコミの報道と共に全国に知れ渡っていった。
甲子園の前に彼の進路は青森の大学進学が決まっていたというが、マスコミのドラフト一位指名候補の報道がなされたこともあり、一転してプロ志望を決めたように感じる。ところが、甲子園、国体が終わったことで周りが冷静になり始めたのだろうか。あれほどドラフト一位指名候補だと騒いでいたマスコミがここにきて、吉田投手ではなく大阪桐蔭の根尾投手がドラフト一位指名候補だと騒ぎ始めた。吉田投手をひいきするつもりはない。しかし、進学から一転してプロ志望したのは吉田投手自身の決意でもあるが、あまりにもマスコミが一人の高校生を持ち上げすぎたのではないだろうか。あれほど一位指名だと騒いでいたのだから、本人の高揚感と期待は大きかっただろう。根尾投手の実力も理解できるし、どの投手を一位指名するか二転三転することはあるだろう。しかし、彼らはまだ高校生である。彼らが行きたい球団を選べる訳ではなく、どこに指名されるか不安であろうこの時期にマスコミが報道で彼らを揺さぶり、翻弄しているのではないかと思うと大人としてそれが本当に高校生の将来のためになっているのか私は疑問を感じる。